鴨は「くちばし」を見て撃つと当たる!その理由
猟期がはじまり、鴨撃ちに出かけた人も多いのではないかと思いますがみなさんは行きましたか?
さて今回はかも撃ち、「どこを狙って撃つか」というお話です。
かも撃ちとクレー射撃、狙い越し実距離はほぼ同じ。
まず、狙い越しを考える時に必要になるのは、対象までの距離、対象の飛行速度、弾速の3つになります。実はこれらは、クレー射撃を行う時とほぼ同条件になります。
まず対象までの距離は、クレーだと15〜35mが適正距離で、カモも同じになります。なぜなら、よほどロングバレルでない限りはこの距離を過ぎると当たってもなかなか落ちないからです。
次に対象の飛行速度ですが、クレー撃破時はおよそ時速80km。鴨はマガモもコガモも、トップスピードが時速100km、射撃時は離着陸時に近いのでそれより遅い時速80kmほど。つまりこれも大体同じ。
そして弾速は、狩猟装弾の方が遅いイメージですが、実際は粒玉が5号や3号とクレーより大きくなるため、到達時までの弾速は平均するとほぼ同等になります。
よって、狙い越しの実距離は、「ほぼ同じ」と考えて問題ないわけです。
スキートの感覚で撃っても外れる理由
スキートが6割以上当たる人でカモには当たらないという人。これは、「距離が離れすぎ」か、「鴨の胴体」を見ているから。
狙い越し感覚のずれ
上記の図の通り、特にマガモは胴体がクレーよりも結構大きく、人間は「大きいもの」を見ると、空を飛ぶ飛行機が時速500km以上なのにやけにゆっくりに感じますよね。つまり感覚的には「近く遅い」と感じやすいのです。クレーより面積で2倍以上ありますから、「このへんかな?」という体感覚が自動的に狙い越しを20〜50cmぐらい「短く」してしまいます。
狙点のずれ
その上、鴨は基本首より前に有効弾が当たらないと落ちないので、胴体の見てるところよりさらに20〜30cm前に当たらないと落ちないわけです。すると合計で40〜80cmも後ろになり、鴨の尾の後ろあたりを掠めるような形になります。
つまり、鴨の胴体を目で見ている限り、感覚的にはスキートの1.5〜2倍ぐらい前を撃たない限りヘッドショットで綺麗に落ちることはなく、2mの狙い越しなどかなり「当てるのが難しい」ものになりますよね。
くちばしを見るとどうなるのか
狙い越しのズレが最小になる
ではくちばしはどうかというと、くちばしはとても小さく、大きくてもクレーの皿を横から見た時のサイズぐらいしかありません。つまり、くしばし「だけ」を見れば小さいので、ちょうどクレーと同じくらいの距離感覚が持てるわけです。このため、体が自動的に縮めてしまう狙い越しを最小にできるわけです。
狙点のずれは許容範囲
くちばしの先端を狙った際、ビタで当たったら、これは一番狙いたいヘッドより5cm前にショットコロンの芯がくる形になり、ここに芯がくれば鴨は落ちます。また、それよりさらに前に5cmほどずれても、ヘッド→くちばし先端までの何処かに有効粒が1つでも入れば鴨は落ちるので、胴体に撃って羽根で弾かれるよりはるかに落下率が高くなります。
また、鴨の本体サイズがどうしても目に入って基本的に「後ろ」を撃ちがちなので、5cmぐらいの差があった方がちょうど良くヘッドにショットコロンの中心を持って行けたりします。
結論
結局のところ、一番誤差が少なくクレーと同じ感覚で当てようと思った場合は、くちばしをよく見て撃つことで当たる、という理由を書いてみました。まぁ細かいことはさておき、スキートのシングルが6割以上当たるのなら、くちばしの先を見て撃つだけで劇的に猟果が上がります。細かいことはおいておいても、一度試してみてください。
また、くちばしの先端の丸い部分の丸さが見えないなら、それはクレーが丸く見えないのと同じ状態。スイングが悪いか、他に気を取られているので大抵後ろを撃ってしまうということ。
鴨は「ばっ」と出た時に一回、一つの猟場で多くて5〜6発ぐらいしか撃つチャンスがないので、なかなかカモ練習というのは難しいもの。でもスキートはいくらでも練習できますから、スキートと同じように撃つために「くちばしをみる」というのが大事になるよ、というお話でした。
これもしかしたら以前も同じ内容書いたかもだけどまぁいいや。
鴨猟おすすめのグッズ
鴨猟は鉄砲と許可証と弾があれば行ける気軽な猟ですが、あると便利なものもたくさんあります。ここでは私が鴨猟に持って行っているものを紹介します。
針金(腸出し)
いわゆる針金。腸出しや獲ったカモを車にぶら下げ、あとは冬にスキーやスノーシューが破損したときに補修用にも使えます。これは100均でも良いのですが、100均だとちょっと太すぎたり柔らかすぎたりしてなかなかちょうど良いものがありません。このステン0.9mmはそこそこ加工性もよく、丈夫で錆びにくい、またステンレスなので衛生的にも◎。バードナイフなどにある専用のフックも良いのですが、落としたり壊したりするとショックですよね。でも針金ならその辺も大丈夫。
麻紐
これはおもに鴨を吊るす用に使っています。私は撃ったかもはすぐに腸出しし、首をこの麻紐で括って車にぶら下げます。鴨ってとってすぐ車などに「置く」と、下になった部分が蒸れてしまったり、変に血が抜けなかったりするのですが、こうすることで肉の蒸れや傷みを防ぎ、帰ってから熟成かけるのも、軒先のようなところにこのままぶら下げればいいので簡単。麻紐はしっかり固定できる上、使用後「そのまま捨てれる」のが良いところ。現地で風で飛んでしまったりしても天然素材なんで農家さんなどに迷惑がかかる心配も少ない優れものです。
ハサミ
このハサミなら、上記針金も切れるし、麻紐も当然切れます。またある程度骨も断てるので、羽や足、首なんかを現地で落としてしまうなんてこともできます。時期にもよりますが筆毛がなくなり脂が乗ってきた頃だと、落としてすぐに羽をむしってしまい、手羽、足、首など食べれない部分をその場で落としてきてしまうと帰ってからすごい楽なんです。ニッパーなんかでもいいですが切り口が綺麗にならず調理時に捨てるところが多くなっちゃうんで、私はこのような強めのハサミを使っています。
溜池で鴨回収に使う釣竿
鴨を池や川で撃ったとき、陸地まで飛んできて落ちてくれればいいですがなかなかそうもいかず池の真ん中あたりにぽちゃん、ということも多いかと思います。そんなときに使えるのが釣り道具。私は普段川のルアー釣りをするのですが、川用だと竿がちょっと短すぎて届かないことがしばしばありました。なので、鴨だけでなく、海でも川でもちょっとした釣りに大体何にでも使えるような8〜9ftぐらいの振り出しルアーロッドを1本いつも車に入れています。リールはなんでもいいですし、わざわざ「鴨キャッチャー」みたいなものを持っていかなくても、トップウォーター系のルアーの方がよく飛び狙いやすく使いやすいです。
鴨を掛けるルアー
そこそこ大きくてみやすく、そこそこ飛距離も出るトップウォーター。沈まないので鴨の奥に投げて巻いてくるだけで回収できます。ちなみにシーバス用のこれなんかは、シーバス釣りにもそのまま使えるので、こういうのを持ってなければ試しに一つ買っておくのは楽しみも増えていいかもです。
川で鴨をキャッチする磯網
鴨を川で撃った際、どんどん流れて行ってしまうので、何度もルアーを投げ込む余裕がなかったりします。そんなときに結構使えるのが磯網。上の商品は伸ばしたとき9mあるので、小さな川であれば十分に届きます。ただ仕舞い寸法が結構大きいため、私は下の商品の5mのものを使っています。大体釣り竿+ルアーで寄せて、最後の引き上げに使うような感じ。
ニトリル手袋
一応衛生面に気をつけて、野生動物を触る際は手袋を着用したいもの。で、この商品のような「凹凸加工」がされているニトリル手袋だと、羽をむしるときに滑りにくくてよいです。
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