横スイングで上半身は捻るか捻らないか

「横スイング」をする時に、「腰をまわせ」という話と、「体を捻れ」という話、両方聞きます。
これはどちらが正解なのか?という話。

結論は「捻らない」方が有利になる


結論から言うと、捻らない方が有利なことが沢山あります。もちろん捻ってはいけないわけではないですが、変な癖がつきやすくなったり、反動制御がしづらくなるのです。

筋肉の大きさで比較してみる


まず、横スイングを腰で回る時に使うのはどこの筋肉でしょうか。これは「太腿」などの人間の体の中で一番大きな筋肉。動き方もシンプルで、よく使うので細かい動きも出来、チカラが動きに伝わりやすい筋肉とも言えます。
では「上半身を捻る」動作はどの筋肉を使うか?というと、「内腹斜筋」が作用しているそうです。これは「くびれ」などを形作る筋肉で、非常に複雑な動き方で捻りを発生させます。明らかに太腿の筋肉より薄く小さな筋肉でかつ、あまり使わないので細かい動きも出来ず、さらにそんなに強いチカラを発生させられない部位になります。

この事からみると、やはりチカラが強く、大きく、よく使う太ももの筋肉の方が遥かに有利に動けることがわかると思います。

反動を受ける事を考えてみる

銃には反動があります。そしてその反動は横のスイングをしている「途中」でかかります。また、背後にだけではなく、銃床側の肩にすこし「回転モーメント」もかかります。
つまり、「横スイング」をしている筋肉に対して大きな影響を与えるわけです。

この反動を受け止める時、やはり大きな筋肉である太腿は、かなり余裕を持って反動を受け止められますが、一般の人であれば「内腹斜筋」だけでは普通受け止めきれません。スイングが止まるか回りすぎるし、上半身が「煽られる」ように動かされてしまいます。

ストレートを撃つ際、綺麗な縦スイングができているのであれば、反動は背筋と腹筋、そして太腿と大きな筋肉でしっかり支えられるので、反動はうまく右足の踵に抜け、姿勢はほとんど変化せずに撃つことができます。だから「トントン」と連射も出来るわけです。
でもここに体の「捻り」が入ると、うまく背筋腹筋のバランスが取れず、「内腹斜筋」に大きく負担がかかる角度がどうしても発生してしまうため、「煽られる」ように姿勢が変わってしまいます。「後矢、二の矢」はまず姿勢を戻してからしか撃てないので、かなり「撃ち遅れる」事になるわけです。
この事からも、やはり「捻りは無い方が有利」と言えると思います。


「後矢二の矢」の改善は「身体の捻り」を見直すのもアリ


スキートの後矢、トラップの二の矢がどうしても「撃ち遅れ」てしまうとか、もっと早く引きたいと思うのであれば、この「横スイング」の時の「身体の捻り」を見直してみるのも一つ有効な手立てと言えます。
もちろん後矢二の矢が遅くなる原因はこれだけではありませんが、改善はされると思います。

反動制御が出来ると、「自分の撃った弾」が見える

また、ある程度体重がある人なのであれば、反動制御が綺麗に出来ると「自分の撃った弾が見える」ようにもなってきます。
もし一度も「自分の撃った弾なんて見た事が無い」のであれば、思った以上に反動で上半身を煽られている証拠とも言えます。さらに上手く反動制御出来れば、すごく楽に当てられるようになりますから、「自分の撃った弾を見たことがない」のであれば、まず横スイングを見直してみると良いかもしれません。

射撃の大学

射撃は半年間で8割あたるようになる!? 射撃は全て「同じ」ように撃つ事で効率良く上達し、全くの初心者から半年間で、散弾、ハーフライフルでの競技射撃、狩猟、その全ての射撃で8割以上あたるようになった著者。 銃の撃ち方の基本から練習法、クレー射撃(skeet、trap)、狩猟(エゾシカ、鴨など)のやり方などを忘備録的に書いています。

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