リード射法、スロー射法、スイング射法。どれから覚えれば良いか?

銃を所持すると、まず初めに習うのがスイング射法だと思います。トラップは基本これなのですが、スキートはどうやら昔はこの方が良かったそうですが最近は皆リード射法なのだとか。

では、狩猟はどうかというと、かも撃ちなど実際の動物の場合、クレーのようにまっすぐ飛ばなかったりするので、基本スロー射法が良いそうです。

なんか、どれを練習すると良いかわかりませんよね。

結論は、スロー射法を基本とするとスムーズになる


先に結論を言ってしまうと、スロー射法を一番の基本にすると、全ての射法がスムーズに習得出来ます。

なぜなら、特にビギナーの場合、銃をターゲットを全く同じ速度でスイングする事がまず重要で、ターゲットそのものを照星で捉えるスロー射法はその「速度感」を掴むのに一番適しているためです。

実際、リード射法はスロー射法の少し先というだけで動きはほとんど同じです。スイング射法はスロー射法よりスタートを遅らせてスイングを少し速くするだけ。

スイング速度のベースは、全ての射法においてやはりターゲットの移動速度であって、これと銃口の動きを同期させる事が出来ないと、どれもうまく当てる事が出来ないわけです。

スロー射法とは?


スロー射法は、先ずターゲットに「照星をピッタリ合わせ」て動かし、ターゲットの動きが安定したところで少し「追い越し」たところで引き金を引きます。

これは初めにターゲットに「ピッタリ合わせる」事が重要で、猟場では獲物を見つけてから獲物そのものに銃を合わせ、獲物の走りに合わせて銃口の走らせるようにします。

狩猟では走り出し時に獲物がルートを変える事が多く、この時に「先」の位置が変わってしまうので、ルートが安定するまで銃を撃たず、安定してから追い越して撃てるので無駄弾を撃たなくて済みます。

また、精神的にも照星で獲物を捉えているので、比較的落ち着いて引き金を引けるのもメリットと言えます。

また、獲物の速度に「ピッタリ合わせて」動かす事を一番やりやすいとも言えます。

スイング射法とは


スイング射法は、ターゲットを先に走らせ、銃口で追いかけていき、追い越しざまに引き金を引きます。

この時、「引き金の反応の悪さ」分だけ弾が出るのが遅れるので、大体いいぐらいの狙い越しを取れる、というもの。

これは、スイングが早いと狙い越しが大きくなり、スイングが遅いとその分小さくなります。

クレーなどでは、早く反応するほどスイングは遅くなり、反応が遅れるとその分だけスイングが速くなりますから、結果同じように撃っているつもりでも微妙に「ズレ」が生じるわけです。

トラップの難しさはこのあたりにあると言っても過言ではないでしょう。

リード射法とは?


リード射法は、常に狙い越し分だけターゲットの「先」に銃口を置いて同じ速度でスイングさせます。

これは現在はスキートの射法の主流で、どこを撃ったか、何が違ったかなどの間違いがわかりやすい、かなりメリットの多い射法になります。

ただ、この射法は「ターゲットの放物線」を覚えている事、「狙い越し」を正確に把握している事、そして「スイング速度」がターゲットと同期していないといけない上に「盲点(別記事参照)」などの影響も受けるので、中級者向けの射法になります。

うまくなるための練習方法


ビギナーだけに限らないのですが、まずはクレー射撃場に行き、他人の撃っているクレーを「左手」できっちり追うように練習してみて下さい。これはお金もかからないし変な癖もつかないのでおすすめです。

この時、「肩から上」は絶対に動かさないこと、横スイングは腰の回転「だけ」、つまり背骨捻転を使わずに取ること。
これが出来ると、手撃ちなどになりにくく、足腰がターゲットの速度を覚えてくれるので、綺麗なスイングができる上、クレーがそのうち止まって見えるようになります。

射台では、とにかく当てることより「スロー射法」を意識して、なるべく長い時間クレーを照星で捉えてみて下さい。そして、追い越して引く。

すると自然とスロー射法が身につき、スイング射法、リード射法への移行も楽になると思います。


射撃の大学

射撃は半年間で8割あたるようになる!? 射撃は全て「同じ」ように撃つ事で効率良く上達し、全くの初心者から半年間で、散弾、ハーフライフルでの競技射撃、狩猟、その全ての射撃で8割以上あたるようになった著者。 銃の撃ち方の基本から練習法、クレー射撃(skeet、trap)、狩猟(エゾシカ、鴨など)のやり方などを忘備録的に書いています。

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