トラップとスキート、どちらが難しい?
とりあえず、色々言われますねこれ。
結論から言うと、「修練度」によって変わる、と言った感じでしょうか。
全くの初心者にはトラップの方が優しい
全くの初心者はスキートの方が難しく感じます。スキートはガンポジションからの据銃で、タイマーがあり、各射台で出る皿の枚数や順番、狙い越しも違う上に「ダブル」がある。要は、「普通にプレイする」までのハードルが高いのですよね。
全くの初心者がISSFルールなんかやると「0点」なんてのも珍しくないですし、すごくセンスある人でも5枚ぐらい中れば良い方です。
トラップの方は、構えてからのコールなので精神的なハードルは低いし、ストレートはなんとなく狙えたらちょこちょこ中ったりします。また角度の急な皿は思い切り振るので意外と中ります。なので、それなり中る人は12〜3枚中っちゃう人もいます。
とりあえず一回やってみる、と言うのをやると、明らかにトラップの方が「中る感」があるし、「出た皿撃てばいい」というわかりやすさで、トラップをやる人の方が多くなっているのだと思います。
ただ、中級クラス以上になると、実はスキートの方がスコアが上がりやすいと言えます。まず、シンプルにルールなど数回やれば覚えてしまいますし、射台毎に角度が違ったりスピードが違って見えたりするのも、しばらくやれば覚えてしまいます。ガンポジションからの据銃も、慣れるとこちらの方が視界が広くて楽なんです。
そして、スキートはある程度基本がしっかり出来ないと、10枚中らないので、逆に10枚以上中るというのはある程度基本が出来てしまっているとも言えます。
基本ができてない状態で数撃ちやると変な癖がつきやすいのですが、ある程度中るようになってからであれば数撃ち練習などをやってもちゃんと上達が実感できる人が多いのもスキートの特徴と言えると思います。
これがトラップの場合、ビギナーでも中っちゃう、つまり、「基本が出来ていなくても」ある程度中っちゃうわけです。これで数撃ち練習すると、「変な癖」がついて定着してしまう事が多いのです。
平均15〜20点ぐらいまではすんなり撃ち上がっても、そこからなかなか伸び悩んでいる人は大体これ。
「練習するほど悪くなる」から練習しないんだ、なんて人も居ますが、大抵の原因はこの辺りにあります。
実際にトラップが上手くても鴨撃ちが苦手、ライフル下手、なんて人も居ます。
スキート撃ちは大体マルチに撃てる人が多いのも、この「基本の身につきにくさ」の影響かもしれません。
そして、上級者〜大会選手になってくるとどうか、というと、ISSFのトラップとスキートのファイナリストは、撃破数/射撃回数がトラップは80%ほどで、スキートは95%以上の競り合いなので、実際に「中てる」のが難しいのはトラップの方と言えるでしょう。
また、「勝つ」事を考えると、「一発」外すだけでだいぶ順位の落ちてしまうスキートの方が難しいとも言えます。
このような感じで見てみると、トラップとスキートはどちらが難しいか問題というのは、「どちら」と決めるようなものではなく、それぞれの違いを見る事でわかる「落とし穴」や「課題」を知る事の方が、よほど大事だという事がわかると思います。
最後に私が推奨している実射練習の順番を参考までに書いておきます。
「正面」と「縦スイング(上向き)」を作る。
1.10mトラップストレート(単発)
2.スキート7番M(据銃姿勢から)
3.スキート7番MW(据銃姿勢から)
4.2.3をガンポジションから
横スイングを作る
1.スキート3番M
2.スキート5番P
3,スキート4番P,M
縦横同時スイングを作る
1.スキート8番P,M
ビギナーのうちは、これらの順で進めていき、センターポール手前で6割中るようになると、大体基本が出来てきているので、ここからトラップならトラップ、スキートならスキートのISSFルールをやっていくと良いと思います。
ちなみに、スキートの1番Pは、最後にした方が良いです。これは、縦スイングの「下向き」の動きになり、ほとんどの射撃で使わない動きです。また、据銃練習をしっかりしておけば、「構えてドン」で中りますから、他の射台の命中率が1番Pを上回ってきたら、この「下向き」スイングを練習すると良いと思います。
また、スキートの8番は距離が半分以下になりすごく「速く」見える分、これが簡単に中るようになると、クレーが出た瞬間「ビクッ」と身体が動いてしまう事が無くなります。これは、トラップをやるときも「ぬる〜っ」と皿を追う事が出来るようになると思います。
トラップは、早く撃とうとするほど、手撃ちになりやすく、これは「全ての射撃が下手になる」癖なので、一番避けた方が良い癖です。
0コメント