スキートの8番射台は「上」に撃つのでは無い

クレー射撃のビギナーがよく勘違いすることの一つに、「8番射台は自分の上に向かってクレーが飛んでくる」と思っていることがあります。
射順を待っている時も、そのように「見え」ますし、教本などでも「上」と書いてあったりしますから、勘違いしてしまうのです。
そして、実際の射台に立つと、ハウスが近く、皿が速く見えるので「焦り」、「狙う」事に集中するので、何度やっても「どこを通るか」を見ていない。結果的にしばらくの間「上」を通っていると勘違いし続けてしまう。そんな人は多いです。

でも上手い人は「8番が一番簡単」なんて言い方をするわけですから、「訳がわからん」となる訳ですね。

実際は「斜め上」を飛ぶ

ただ、
よく考えてみれば、基本1番7番の向かい矢を撃つ時と同じ飛行線になるはずなのです。また、クレーは「センターポール」の上で交差するように必ず設定されています。つまり、射台より5.49m外、明らかに外側に飛ぶんです。
そして、ハウスとセンターポールのちょうど中間あたりで撃破する場合、銃の角度は上15度〜30度、横15度〜45度程で、「斜め上」になります。

この時の姿勢は「一番楽」な姿勢

すごく大雑把にいうと、プールは、体をセンターポールに真っ直ぐ向け、マークは体をハウスに向かって立ち、「フラットに銃を構えた」ところあたりで撃破するわけです。
これがわかると、一番練習量の多い、直立に一番近い、無理のないフラットな姿勢で撃破できる事がわかると思います。

クレーの速度もタイミングも変わらない

8番射台は距離が短い分「速く」見えますが、クレーの速度自体は一定で変わりません。また、他の射台と三次元的に「同じ場所」で撃破すれば良いので、実際にクレーの射出音がしてから撃破するまでの時間は他の射台と一緒で良いわけです。

よって違うのは「セットポジション」からの「移動量」だけなんですね。

8番の本当に難しいポイントは

この時、8番射台の一番難しいポイントが出現します。それは「縦スイング」の成分が一番多い、という事。

大体自分の目線の高さぐらいから、斜め上に飛びます。横スイングはもちろんそこそこ大きく、さらに、「下から上」のスイング成分がどの射台よりも大きいわけです。

つまり、「下から上」の縦スイングをきっちり出来ないと、軸がばらつき思ったところに照星を持っていけないわけです。

これは上級者でもおなじで、スキートは基本的に「左右」の横スイングで取りますから、縦スイングを蔑ろににしたまま「慣れて」しまうと、結局縦スイングが大きい8番が「難しい」ものになってしまうわけです。

まとめ

つまり8番射台をうまく撃とうと思ったら、大事なのは2点になります。
まずは「上」ではなく「斜め上」に皿がくること、またその時の姿勢は「一番楽」な姿勢だという事を意識しておくこと、
もう一つは「縦スイング」をきっちりと練習して、完全に「横スイング」と分離できるようにしておく事。
これができれば、「セットポジション」から撃破ポイントに「挙げる」だけで皿が照星によってくるように見えるので、楽に撃つ事が出来るでしょう。

射撃の大学

射撃は半年間で8割あたるようになる!? 射撃は全て「同じ」ように撃つ事で効率良く上達し、全くの初心者から半年間で、散弾、ハーフライフルでの競技射撃、狩猟、その全ての射撃で8割以上あたるようになった著者。 銃の撃ち方の基本から練習法、クレー射撃(skeet、trap)、狩猟(エゾシカ、鴨など)のやり方などを忘備録的に書いています。

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