スキートのセットポジションの銃口高さ

今回は、セットポジション(コールする時の姿勢)の銃口の高さを少し詳しく書いてみようと思います。


スキートの場合、セットポジション時の銃口高さの考え方は大きく2つあります。

1、照星をクレー飛行線に合わせる方法

2、銃身の向きをクレー飛行線に合わせる(近くしておく)方法


実例で、日本クレー協会の公式戦ファイナルのyoutubeを切り抜いて見てみます。動画リンクはページの最後に紹介しています。


照星をクレー飛行線に合わせる例

おそらくこのパターンで練習している人が一番多いと思います。照星を動かさないように据銃する練習をして、セットポジションでは照星を飛行線につけておく、というもの。


メリット

・「照星」がずっと飛行線をなぞっているので、「狙う」イメージがしやすい

・銃先が高い位置にあるので、銃を上げやすい(左手の仕事が少ない)

・やり始めは当てやすい。

デメリット

・据銃完了時に銃がブレやすい。(銃口に下向きに回転モーメントがかかる。)

・据銃が完了しないと絶対に当たらない(銃身は常に飛行線より上を向いている)

・練習をしても据銃スピードや安定性に限界がある。


という感じです。世界的にみてもほとんどがこちら。オリンピック金メダリストのvincent hancockさんもこちらの据銃をしているようです。



銃身を飛行線に合わせる例

これは人数的にはあまり多くはないけれど、日本では最近有力視されている据銃方法といえます。実際にガンポジションの時は「だいたい目の高さ」ぐらいの飛行線より少し上向きになるのですが、据銃開始直後には銃身が飛行線を向いて、右手と左手がほぼ同じぐらい上がります。


メリット

・銃が飛行線を通っているので据銃が不完全でも当たる確率が高い。

・据銃完了時銃が暴れにくい。

・長期的に練習すると限りなくスムーズで速い据銃ができる。

デメリット

・照星が視野の下の方にあるので、「狙う」イメージがしづらい

・銃先が低い位置にあるため、銃を上げづらい(左手の仕事がおおい)

・やり始めは当てづらい


 という感じです。



どちらも一長一短ありますが、練習をやりこんで最終的に安定し、結果的に早く正確に皿を割れるのは後者の「銃身を飛行線に合わせる」方が良いかもしれない、と思い筆者は後者を採用しています。ただ先日のスランプの際は周囲の方からアドバイスをいただき、「照星を飛行線に合わせる」ことをやってさらに調子を崩しました(笑

それぞれの据銃法はそれぞれメリット、デメリットがありますから、どちらがいいとかいう話ではありません。ただ、ちょこちょこ変えてしまうと練習時間がもったいないので、どちらかに絞って練習することをお勧めします。



JSCA本部公式のyoutubeから画像をキャプチャさせてもらいました。こちらも参考までに。

射撃の大学

射撃は半年間で8割あたるようになる!? 射撃は全て「同じ」ように撃つ事で効率良く上達し、全くの初心者から半年間で、散弾、ハーフライフルでの競技射撃、狩猟、その全ての射撃で8割以上あたるようになった著者。 銃の撃ち方の基本から練習法、クレー射撃(skeet、trap)、狩猟(エゾシカ、鴨など)のやり方などを忘備録的に書いています。

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