射場ではポイントを1つに絞る

クレー射撃をやり始めると、必ずと言っていいほど陥るのが、「いくつもの点を修正しよう」とするもの。
実際には、幾つものことを同時に考えるのは不可能で、さらにアタマでごちゃごちゃ考えていると体の反応が必ず「遅れます」。
反応が遅れると大抵「慌てて」しまうので、結果として無駄撃ちになり、良い練習にはなりません。
もったいないように感じるとしても、結果として「一つ一つ」を体に覚えさせていく方が効率的なのです。
この時、「では何を優先してやるか」のお話をしておきます。
例えば、以下のような課題があるとします。
・初矢を早く取りたい
・左手を先に上げたい
・肩が上がらないようにしたい
・スウェーが出ないようにしたい

この場合、優先順位として最後なのが「初矢を早く取りたい」になります。
なぜなら、これは「結果」であって、体の動きの事ではありません。
直せるのは体の動きだけであり、それがスムーズに出来て始めて「結果」が付いてきます。

この時射場で意識するのは、「スウェーが出ないようにするために〇〇をする」の「〇〇」だけにします。
スウェーの場合は、セットポジションの捻りの状態やスイングそのもの「回転」に問題がある場合が多いので、「プール側セットポジションは右足に体重を感じてからコールする」とか「くるんとまわる」のような「肯定的」な意識を持つだけにするわけです。

この優先順位を決める時は、課題を大きく3つに分けます。

1.姿勢(静止位置
2.動作
3.結果

まず1の静止位置、というのは、ガンポジションと居銃時の体の状態の事、動作は、ペースやスピードに関係なく、動きの全て、そして結果は、「早さ(速さ)」「引き金を引く角度」「当たり外れ」などになります。

この時、1の静止位置は、家で練習します。家に全身が映る鏡を置いてやると射場より簡単で何度でも無料で練習ができますから、射場には持ち込まないようにします。

次にやるのが「動作」ですが、これも基本的に家で行い、上記のように「〜する」という形で意識し、鏡等でうまくいくやり方を模索しておきます。
それを実射では「確認する」だけにするわけです。射場で意識するのはこれのみで、うまくいかなかった場合も特にその時修正はなるべくせず(したら元に戻るか余計悪くなるため)動画などを活用して自分の姿を確認してから修正します。

そして、「やらない」のが3番です。
上の例のように、初矢が遅い場合だとダブルが取れませんが、その際はダブルは「避けて」練習し、シングルを繰り返し「スムーズに」撃つことだけ意識していくと、自ずと早く取れるようになります。
シングルで早く取れないうちは、ダブルでは早く取れませんからね。

このような形で、「家での練習」で課題をきっちりこなしておくと、射場に持ち込む意識というのは一つか二つに絞ることができるはずです。
そして、実射の際はそのうちひとつだけ意識して、どうだったかを確認するわけです。
すると、後戻りが少なく、課題に対して前進していく感覚がわかるようになりますから、結果的に「早く」成長できるわけです。

射撃の大学

射撃は半年間で8割あたるようになる!? 射撃は全て「同じ」ように撃つ事で効率良く上達し、全くの初心者から半年間で、散弾、ハーフライフルでの競技射撃、狩猟、その全ての射撃で8割以上あたるようになった著者。 銃の撃ち方の基本から練習法、クレー射撃(skeet、trap)、狩猟(エゾシカ、鴨など)のやり方などを忘備録的に書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000